定期借家権

定期借家権

2019.08.20

2000年3月に施行された「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」(通称:定期借家法)によって導入された制度。借地借家法の一部を改正する規定が含まれるが、定期借地権のように権利として定められたものではなく、定期借家契約ができることを規定したにすぎない。
従来の借家契約は期限が来た時点で賃貸人側から契約の解除を申入れても、賃貸人側に「正当事由」がなければ賃貸借契約は「法定更新」された。しかも更新された後の賃貸借契約は期間の定めのないものとなってしまい、賃貸人にとって極めて不利な契約であった。これに対し定期借家契約は、契約期限の到来とともに借家契約が終了するため、立退料が不要になり、家賃増減請求権を排除した契約を結ぶことが可能となるなど、賃借人保護に偏った従来の制度の問題点が是正されている。
定期借家契約により、建物賃貸経営を長期安定的なものにするのみならず、契約形態の多様性や供給される賃貸物件のバリエーション増大など、賃貸人・賃借人双方にとって大きなメリットをもたらすものとして期待されています。
契約を結ぶ際には、賃貸人は賃借人に対して公正証書などの書面を公布して「更新がなく期間満了により終了する」ことを説明する義務がある。また、契約終了の1年前から6か月前までの期間に契約終了の通知をしなければならない。但し、賃貸人と賃借人が合意すれば再契約することも可能である。